健康寿命について

WHOが2000年に定義

 WHO(世界保健機関)が2000年に「健康寿命」を提唱しました。単純な人の寿命の平均値を「平均寿命」ということに対して、 日常的・継続的に医療・介護に依存せず、日常的かつ継続的に自分自身の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のことを「 健康寿命」といいます。

つまり、平均寿命は、「命が継続できた期間の平均値」で、健康寿命は「健康で文化的な生活を送ることができた期間の平均値」となります。

平均寿命=健康寿命というのが理想ということになりますが、実際はどうでしょう。以下の表をご覧ください。

【平均寿命と健康寿命の差:2016年】

<厚生労働省「第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会資料」(平成30年3月)>

 平均寿命と健康寿命との差は、日常生活に制限のある「健康ではない期間」を意味します。2016年の調査結果では、この差は男性8.84年、女性12.35年でした。

 前回調査と比べると、平均寿命・健康寿命の差は男女ともに縮小しています。これは良い傾向ではありますが、これからの日本は超高齢化社会を迎え、平均寿命がさらに延びることが予想されています。

 しかしながら、単純な延命措置が増えるだけでは、平均寿命と健康寿命の差は拡大していくことになります。

 平均寿命と健康寿命の差が拡大すれば、健康上の問題だけではなく、医療費や介護費の負担増加も生じることになります。介助者は体力的・金銭的な負担を長期間にわたって強いられることとなるのです。

全身の健康はお口から

 全身に栄養をいきわたらせるのは血液。その血液を循環させるのが心臓。しかし、その血液中の栄養を取り込む最初の臓器は「口」です。

 つまり、人間は口に入れたものからしか栄養を摂取することができません。口腔内で細かく咀嚼され、唾液によって分解され、胃や腸で消化吸収されていくわけです。

 その口腔内環境が悪ければ、そのあとの胃や腸、ひいては全身の栄養状態までもが悪影響を受けてしまうことは明白です。

 もしあなたが健康寿命を伸ばしたいと思っているなら、「お口の健康維持が全身の健康維持の第一歩」だということを常に考えながら過ごされることをおすすめします。